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Q12. なぜ世の中から問題がなくならないのか?


A12. 問題を生み出す「根本原因」に気付いていないから


解説:

問題を生み出す構造

人生、生きていればいろいろな問題に出会います。会社で、家庭で、友達と、恋人と、人によってその問題は様々ですが、人間が問題を作り出していることは共通しています。では、人間が問題を生み出す共通の原因とは何でしょうか?

このことを考える為に、人類65億人に共通している構造が何かを考えてみましょう。人類が共通して持っているメカニズム、それは五感覚を通じて情報を取得し、脳が外界を認識することです。ところが、この五感覚には「部分しか取れない」という機能的限界があり、脳には「違いを見て、過去の経験に照らし合わせて判断する」という特徴があります。

まず五感覚が部分しか認識できないという点ですが、私たちは携帯電話を始めとした様々な道具を当り前のように使っていますが、携帯の電波は目に見えませんし、ラジオの電波も、UVカットの化粧品で防ごうとする紫外線も目では見ていません。視覚は、可視光線と呼ばれるおよそ400〜700nmの波長を持つ光しか認識できず、当然ながらレントゲンで使うX線も赤外線も目で見ることはできません。聴覚も同様に、およそ20〜20,000Hzの周波数を持つ音以外は聞き取れませんので、犬笛の音は人間の耳には聞こえません。

脳についてはどうでしょうか。人間の脳は、進化の過程で、その情報処理能力を上げる為に「無駄なことに能力を使わない」ように進化してきたといいます。生まれたばかりの赤ちゃんの頃は、何にでも興味を持ち、手を出してみることで、驚き、感動し、次第にそれが何なのかを理解して、記憶するようになっていきますが、もし、大人になっても赤ちゃんと同じように何にでも興味を持っていたらどうなるでしょうか?会社に出勤するまでに、信号機に興味を持ち、電車に驚き、毎日エレベーターに感動していたら、処理すべき情報が多すぎて脳が疲れてしまうことと思います。

その為、脳は「昨日と同じこと」や「他と同じ点」には興味・関心を割かないようになり、なるべく「違い」に焦点を絞って認識することが、ホモ・サピエンスが自然界での生存確率を上げることに寄与してきたと考えられています。そして、記憶した情報をベースにしながら、新しく入ってきた情報を自分の過去のデータベースと比較検討することで判断し、経験という名のケーススタディを蓄積することで同じタイプの悩みに時間を割かないようになってきたといわれています。


認識

それでは、この五感覚の限界と脳の認識のクセが、どのように問題を生み出しているのでしょうか?

まず「問題」を問題として認識するのが人間であるという事実があります。地震や津波や台風は、人間にとっては大きな問題ですが、地球にしてみれば、肩こりをほぐしたり、胃の中で食べ物を消化したり、呼吸するのと同じように、「いつもしている生理現象」ぐらいのものかも知れません。逆に視点を変えれば、人が家を建てたり、街を作ったりする営みも、そこに住んでいるアリから見れば、生活が脅かされる台風や地震のように感じることでしょう。

ではなぜ、人は何か自分にとって不都合なことが起きた際に、それを「問題」として認識するのでしょうか?

それは「自分」があるからではないでしょうか。自分のアイデンティティーをどう認識するかで、その問題の大きさや意味も変わってきます。例えば現在進行中の金融危機は、ある投資家にとっては「20億円の損失をもたらした災い」でしょうが、株をやっていなかった人からすると「これからの日本や生活が心配」という風に、違う問題として認識されます。小泉純一郎氏が引退することは、小泉チルドレンからみれば「悪い知らせ」でしょうが、民主党にしてみれば「良い知らせ」かも知れません。Aさんにとっての問題は、Bさんにとって問題ではなく、Bさんの問題もCさんにとっては問題ではありません。すなわち、すべての問題を生み出す人類共通の根本原因とは、人間の認識の仕方にあるのです。

なかでも、外側の現象や事象に対する認識ではなく、内側にある「自分」のアイデンティティーをどう認識するのか、という点に最も大きな秘密があります。どこからどこまでを自分自身と思うのか? 人間とは何なのか? この本質的な問いに対する答えには、人間の再定義(パラダイムシフト)を促す事実が内包されており、悩みや苦しみを卒業できない根源的な原因が隠されています。



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