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第1章 あらゆる問題の原因


世界金融危機の犯人

2008年9月に始まった世界金融危機の犯人探しでは、大手証券会社や格付け機関、金融のビジネスモデルや資本主義の 自由放任主義など、誰(どこ)に責任の所在があるかに目が行きがちになっており、米ジョージタウン大学のリーナ・アガーワル 教授(金融論)は「実際には金融システム全体が真犯人である」とまで述べている現状があります。しかし、 企業や政府や社会システムが変わりさえすれば、2度と同じ問題は起きないと言い切れるのでしょうか?

私たちが暮らしている社会は、そもそも個人を幸せにする為に様々な商品・サービスがあり、 それを生産・提供する為の企業活動(実体経済)があって、その企業活動を支える為に金融システムが発展してきました。 しかし現代では、お金を儲ける為の金融経済があり、金融経済と市場のルールに従う企業活動があって、その企業が より成長する為に新商品・新サービスを開発する必要があり、会社がもっと儲ける為に個人が労働力または消費者として 使われているという状況に変容しています。

本来は人を幸せにする為に作られてきた社会システムが、いつの間にか主従逆転した仕組みとなっており、 皆がお金を稼ぐ為に動くシステムとなって世界を網羅してきました。マネーは道具から、人間を支配する力に変わっていったのです。 確かに今の社会で生活する為にはお金は必要です。 でも、お金さえあれば本当に人は幸せになれるのでしょうか? もしそうであるならば、平社員より給料の高い経営者が、 概して孤独を感じているのは何故なのでしょう?

今の時代こそ、金融危機の本質的な問題に目を向け、世界経済が行き詰まる原因を特定し、 金融経済を支える根本的なプレートから変化させていくことが重要ではないでしょうか。 そのことを理解する為にも、まずはサブプライム問題の本質的な原因から見ていきたいと思います。

すべての問題の根底にあるもの

世界的な金融不安のきっかけとなったサブプライム問題の構造をみると、まず根っこの部分に投資家個人個人の 心の在り方があります。私自身もそうですが、投資をする際には100万円出して50万円になって戻ってくるよりも 200万円になって戻ってきた方がいいに決まっています。

この「自分の利益」を考える投資家の心を起点に考えると、 自分の利益を上げる=資産価値の最大化をする為に様々な投資を行う→しかし株・不動産・先物など既存の投資先は 飽和状態→世界的に金余りが日常化し、今以上に儲けることが難しい環境に →「だったら新しい投資商品を作って、そこに投資しよう」ということでサブプライムローンを開発し、 そこに世界中の投資家が大量に投資をした結果→現在の世界的な金融不安が起きていると観ることもできます。 すなわち「自分の利益しか考えない投資家個人の心の在り方」が問題の根本原因だという論点です。

これと同じ趣旨のことを2年以上前から警告されていた方がいらっしゃいます。世界一の大富豪 ジョージ・ソロス氏です。彼は自著「世界秩序の崩壊〜自分さえよければ社会への警鐘〜」の中で、 「自分さえよければ社会」では世界の秩序は崩壊してゆくということを2006年から指摘されていました。 最近では、同様のメッセージを発せられる識者も増えてきています。

なぜウォール街の金融機関はそれほど危険なリスクを冒したのか。その大きな理由はもちろんである。 (Ben Steverman、David Bogoslaw:BusinessWeek記者)

人間の心の持ち方というものが、非常に大きな影響を与えています。つまり強欲。 世界のどの国を問わず自己愛、自己中心的になり、高い志は消失していきました。 これらのことが重なって、今回の国際的な金融危機というものを生み出してきたのです。 (伊藤忠商事:丹羽宇一郎会長)

今、我々は人間としての存在の在り方が問われている。 (真弓 重孝:日経ビジネス オンライン副編集長)

欲(エゴ)が根本的な原因となって様々な問題を作り出している、というのは頭では納得できる話です。 しかし人間という動物である限り本能(欲、エゴ)を無くすことはできません――というのが、今までの常識でした。 本当にそうなのでしょうか?

人間は意識の進化できる存在

結論を先に申し上げると、人間とは“意識の進化”ができる存在です。

「新しい時代」の提案は、人間の意識が「エゴ意識→無我→全我→真我→次元上昇したエゴ意識(egoSG *)」と 一段階次元上昇することで、今までは不可能だと思われていた個人と社会を創造する!というビジョンを 共に実現させて行こうという趣旨1点に尽きます。 * egoSG:エゴSomethingGreatの略。

エゴを否定するのではなく、一周して次元上昇したエゴ意識になるというのは、環境問題を例にするとイメージしやすいかも知れません。 「美味しい魚が食べたい(エゴ)」→「魚が活き活きと生きる為には汚染されていない綺麗な海が必要(エコ)」 →「美味しい魚を食べたいから海を綺麗にしよう(一周したエゴ)」というのは、 「身体だけが自分」から「この地球が自分」ぐらいまで意識が拡張された状態と観ることもできます。 これと同じように「単にエゴが悪いから無我になろう」というレベルの話ではなく、 無我・全我・真我を一周して人間とは何なのか、本来の心とは何なのかが明確に理解できた状態で エゴも楽しみながら生きる、という新しい生き方を提唱しているのです。

ノーベル賞の提唱者として知られるアルフレッド・ノーベルの発明したダイナマイトが、 工事現場での岩盤破壊など作業の効率を上げる道具として普及する以外に 戦争で爆薬として使用されている例を観ても分かるように、今回の金融危機にしても 「道具」や「システム」だけが悪い訳ではありません。本当に変わらなければならないのは、 それらを使い、運営する我々個人個人の心の在り方ではないでしょうか。

今の時代は、我々がこれまでの「生き方」や「考え方」を見直して、これから世界が向かうべき方向性を考え、 明確に定める時期(ターニング・ポイント)に来ているのではないでしょうか?

各国が地球規模で取り組もうとしている環境問題と、いまだに繰り返される食品の偽装問題についても、 左図のように、国を運営する政治家の「自国さえよければ」、経営者の「自社さえよければ」の心を起点に これらの問題が生じて来ているとは考えられないでしょうか?

そして環境意識の高まりがエコロジーと経済を結び付けたように、人間ひとりひとりの意識が変われば、 他の問題も解決できる可能性が開かれるのではないでしょうか? 1990年代、トヨタがハイブリッドカーの プリウスを世界で初めて販売し始めたころ「環境で車が売れるワケがない」と誰もが口を揃えて話していました。 それから10年ほど経った今、環境性能を宣伝しない車や家電は売れなくなってきている現実があります。

人間の意識に対するイメージも、10年あれば変わります。

そして、それが経済と結びつき、環境経済と同じように『認識経済』という新たなブルーオーシャンを 開拓していく時代も2009年6月以降に訪れるでしょう。「Q1.人間とは何なのか」 に対する答えを出発点に、日本から新しい時代を提案し、具現化させていくロードマップについて、 次章以降で詳しく観ていきたいと思います。




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